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  • 2022.08.05

【ファイナルファンタジーVII 25周年記念】 FINAL FANTASY VII REMAKE REVISITED ~開発秘話ブログ~ Chapter7~

『ファイナルファンタジーVII』25周年を記念して、『ファイナルファンタジーVII リメイク』の開発者たちのインタビューを掲載!
ここでしか読めない開発秘話を1週間に1Chapterずつ公開いたします。

ブログを読んだ後は『FFVII リメイク』を再びプレイしたくなること必至!
開発の舞台裏を知って、また一味違ったミッドガルの旅をお楽しみください!
※記事内には『ファイナルファンタジーVII リメイク』の内容含みますので未プレイの方はプレイしてからご覧いただくことを推奨いたします。

Chapter1~6はこちら!

Chapter7: 伍番魔晄炉の罠

Q:デザインの観点から、伍番魔晄炉と壱番魔晄炉の違いを教えていただけますか?
差別化を図るためにこだわった点、異なるデザインにした理由があれば教えてください。

A:特に使用されているライトに差を出しました。壱番魔晄炉は暖色(古いライトでエネルギーの効率が低め)、伍番魔晄炉は寒色(最新式のライトでエネルギーの効率が高め)という設定にして、新旧のイメージ差を出したいと考えました。

三宅 貴子(エンヴァイロメントディレクター)

Q:この章でのハイデッガーとプレジデント神羅の見た目は、原作『FFVII』と大幅に異なっているようです。彼らをプロジェクション(投影)の姿で描こうと思ったきっかけを教えていただけますか?

A:原作『FFVII』と『FFVII リメイク』とのテクノロジーの解釈を刷新しようとしたときに出たアイデアの一つです。
最初の案は普通のスクリーン演出であり、物足りなさを感じていました。
例えばオールドSFの映画がリメイクされるときUIの表現が大幅に変更されることが多く、『FFVII リメイク』でもその見せ方やガジェットの進化を表現したかった。
結果立体的な投影表現にすることにより、演出的に威圧感と高慢さを出すことができ、良い絵作りができたと思っています。

高井 慎太郎(グラフィックス&VFXディレクター)

Q:スイーパーとは似て非なる「カッターマシン」が登場しましたね。
こういったいわゆる亜種となるモンスターのデザインはどのように生まれるのでしょうか?

A:モンスターには亜種含め登場場所や攻撃方法など、バトル企画チームの方でモンスターの形状や動きに関わる設定が付けられています。
その設定に基づきながら、ゲーム中に「スイーパーとは変化が大きく見えるようなデザイン」を起こしていきます。
例えばスイーパーの攻撃でよく使用する腕の部分でいうと、「機銃」から「カッター」に変更する事で見た目だけではなく動きや攻撃方法など多岐にわたって違いを生むことができます。
(ただし変更しすぎるとモデル制作コストが増えるので気をつけないといけません。)

風野 正昭(キャラクターモデリングディレクター)

Q:この章では、特に巧みに伏線を張っていると感じました。早い段階でエアバスターをプレイヤーに見せようと思った理由は何でしょうか?(通路で整備中のエアバスターがみえたこと)

A:このチャプターのレベルデザインとしては、プレイヤーの攻略によってボスであるエアバスターの難易度が変わるという点にあります。そう考えたときに、ユーザーには最初にエアバスターを認識して伏線を出しておきたいという考えにいたるのは必然でした。
ストーリーも神羅側はエアバスターのセットアップを頑張っており、プレイヤーはそれを邪魔するという要素で構成されており、起承転結のストーリーとしても綺麗に構成できたのではと思っています。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:私自身ここで非常に手こずったのでどうしてもお伺いしたのですが・・・クラウド、バレット、ティファが息を合わせてロックを解除するミニゲームを復活させたのは一体誰のアイデアだったのでしょうか?
このような原作『FFVII』のオマージュが見られるのはとても素敵だと思います。原作『FFVII』から、このような細かい要素まで含める事はどれくらい重要でしたか?

A:実は・・・人員の調整をしているときに伍番魔晄炉の企画担当がたまたまハマらなくて、プロデューサーの北瀬に序盤の企画を担当してもらっていた経緯があります。その頃からロック解除をミニゲームにしたいと企画書に書いてありましたね(笑)

ロック解除に限らずスクワットやGバイクなど原作にあったミニゲームがリメイクでどのようになるのか?というのはユーザーが期待する要素だと常に意識して開発をしていました。また、「FFVII=ミニゲームやダンジョンギミックが豊富」というイメージを皆さんが持っていると思いますので、今作だけでなく次作も含めてユーザーの期待に応えられるように企画しなければという責任感を感じています。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:息を合わせてロックを解除するシーンではクラウドとバレットの距離が少し縮まったような感じがします。まさか冗談を言うほどにまでなるとは!非常に異なる二人のキャラクターの友情を描くのはどれくらい難しかったでしょうか?

A:壱番魔晄炉爆破の後、アバランチメンバーと行動をともにする一夜が入った後、バレットも徐々にクラウドに心を開いています。どちらかというとバレットは元々好意的に思っていたのですがクラウドのクールな態度でその気持ちを表現できず、伍番魔晄炉のあたりでは再び仲間になったことで距離が縮まっています。爆破ミッションという緊張状態がいわゆる「吊り橋効果」的に仲間達との絆を強めたのかもしれません。似たもの同士ではないところが逆に補い合って良いのではないでしょうか。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:神羅カンパニーはアバランチのテロ活動をウータイのせいにする思惑があるようです。
彼らは何故そうしたいのでしょうか?

A:ウータイとの戦争が始まれば莫大な経済効果が生まれます。世界の中で神羅の配下にないウータイと、反神羅活動をするアバランチを一挙に叩きつぶすために、今回の策略が神羅カンパニーの主導により動いています。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:神羅カンパニーはバレットやクラウドの様子をテレビで中継しました。ミッドガルの人々が彼らを認知する(TVに映っている人だと気が付く)場面は計画されていたのでしょうか?

A:TV放送ではアバランチの顔の詳細までは認識できる状態では流しておらず、不気味な反神羅的なテロリストが活動しているというような漠然とした社会不安を植え付けることを目的としています。これは民衆への神羅への依存度を高める目的と、あとで神羅側でアバランチと思われる実行犯を適宜処分できるように余地を残しておく策略のひとつです。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:エアバスターとのバトルで流れる楽曲は本当に凄かったです。特に、バトルフェーズ毎に様々な旋律が組み合わさって構築されているところが素晴らしいです。
この楽曲はどのようにして一から創り上げられたのでしょうか?そもそも作曲を始める前の段階では、どのような情報が共有されるのでしょうか?バトル全体の流れを共有してもらい、そこから作曲作業が開始されるのでしょうか?

A:オリジナル版で一番最初に「更に闘う者達」が聞けるのがこのエアバスター戦になります。ここに辿り着くまでにも「更に闘う者達」のメロディーは使ってきましたが、オリジナル版に近いロックギターアレンジ版は、このバトルで使いたいなと考えていました。ボス戦にフェーズがある事を作編曲家の牧野忠義さんに伝え、どんどんテンションが上がっていく感じで製作してもらいました。

河盛 慶次(ミュージックスーパーバイザー)

Q:クラウドが落下した時、フィーラーに囲まれました。
クラウドは助けられているのか、もしくは別の事を表しているのでしょうか?

A:このときにクラウドが助かるのが運命ですので、その運命を守っています。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Chapter8: 再会の花

Q:本章全体にわたって流れる「教会に咲く花」は、多くのプレイヤーの涙を誘いました。原作の『FFVII』の楽曲を、フルオーケストラ版として再創造するのにはどれだけの作業と労力を要したのでしょうか?

A:過去のゲームの楽曲をアレンジする際にその譜面を正確にコピーすることは当然のことなのですが、『FFVII リメイク』の場合は「リメイク版楽曲を聴いたプレイヤーが、当時のプレイヤーと同じような気持ちになれるかどうか?」という所にとても重きを置いていました。

当時の内蔵音源ベースの音楽には様々な制約(同時発音数や音色の数の制限など)があり、現在の音楽制作と比べると驚くほどリソースが少ないのですが、その制約があってこそあの独特なエネルギッシュで分かりやすく、メロディの強さが異常に際立っていた音楽表現になっているんですよね。
そして、そのサウンドに魅了された僕のようなプレイヤーがたくさんいたと思います。まさに内蔵音源黄金時代!と言えるかもしれませんね。
なので、単にリッチなオーケストラに変換するだけでなくて、昔からのファンには内蔵音源の懐かしさを感じてもらい、初めてのプレイヤーにはその独特さを味わって貰えるようなアレンジを目指していました。

「教会に咲く花」のアレンジでもまず最初にやったことは、「この曲を聴いた時に当時のプレイヤーは何を想ったんだろう?」と考える所からでした。
「ミファ#ラ ミファ#ラ…」とループするPS音源をずっと聴いていると、単に美しいだけでなく今にも壊れそうな脆さを感じてしまいます。その部分こそ「教会に咲く花」に当時のプレイヤーが感銘を受けた部分なのではないかと考え、「美しさと脆さ」をプレイヤーの皆さんにお届けすることを目標にアレンジを始めました。

サウンド面で具体例を上げると、例えばピアノの音色にはゴージャスなグランドピアノでなく、ハンマーのフェルトが弦に触れる音が際立つ古いピアノを選んだり、生演奏のストリングスの上に薄く音程が合っていないものを重ねたりなど…(この辺の工夫は良く聴かないと分からない範囲に留めていますが)、様々な退廃のエッセンスを加えています。
実は「教会に咲く花」はフルオーケストラのアレンジとしては非常に薄味で、使用している楽器の数を敢えて抑えているのもその理由からです。

またこの楽曲は、「鳴らし方」の部分にも拘っていて、短いイントロのループ→エアリスとの会話が進むに連れ、本編に自然に移行→エアリスが廃墟を見下ろしながらクラウドに語りかけるシーンで追加のストリングスがさりげなく入ってくる、という三段構造になっています。美しく生まれ変わった映像でより「教会に咲く花」の良さを味わっていただくために、このような調整にしています。サウンドトラックではこれらを順番につないでいますが、実はゲームの進行に合わせて展開することが前提でのアレンジなので、今一度音楽に注目しながらChapter8を遊んでいただければ非常に嬉しく思います!

島 翔太朗(株式会社 グローブ・エンターブレインズ)(アディショナルコンポーザー)

Q:本作においてこの段階まで来ると、クラウドは原作の『FFVII』のストーリーにおいて後ほど起こる出来事の「フラッシュフォワード(未来予知)」を体験するようになっていますが、これはなぜでしょうか?

A:八番街市街地でエアリスと接触してからクラウドにもフィーラーが見えるようになっています。このときから時間の流れである運命がクラウドの記憶にノイズがある影響もあり一部見えるようになります。ただその幻影は一瞬であり詳細が見えているわけではありません。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:レノはとても俊敏で、手数の多いボスでしたね。
どのようなコンセプトのもと、バトルにおける「レノ」というボスキャラは作られていったのでしょうか?また、大変だったことなど制作過程のお話もあれば教えてください。

A:対比となるルードとの関係性もあったので、ルードはどっしりとした構えやガードを駆使した戦闘に対して、レノは素早い動きや回避といった点を特徴としました。
動きや軌道が複雑なキャラクターでしたので、その制御を組み込むのは苦労もありました。

遠藤 皓貴(バトルディレクター)

Q:フィーラーの「壁」の後ろにマテリアが隠されていたことには、「してやられた」と感じました。ゲームを進める中で、プレイヤーがこのエリアを再び訪れるだろうという考えに基づいた工夫ですか?

A:意地悪であったら、ごめんなさい(笑)
チャクラのマテリアなのですが、ハードモードをプレイしている人には理解できると思いますがMP縛りがある状態で活躍するマテリアになっていまして、ゲーム中に3個あるチャクラマテリアを全てそろえるにはちょっとした難易度があってもよいだろうという判断でこの場に隠させていただきました。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:原作の『FFVII』ではエアリスが神羅兵から危害を加えられないように樽を使って神羅兵の気を散らしますが、本作ではシャンデリアを切り落とします。さりげない変更点ではありますが、どうしてこのような変更を取り入れたのでしょうか?

A:この部分の企画は非常に難航していたところになります。実は樽を落とすという原作通りの企画も検討していたのですが、どうしてもリアリティを出すことに苦労していたのです。シリアスな場面に樽だとコミカルに映ってしまうというのが悩みでありました。
その頃に神羅ビルでのティファの雲梯を実装していて、クラウド側は雲梯中に銃撃されることで緊張感をだしてみようと試作していた時に、その流れで雲梯中にシャンデリアを切り落とすのがよいのではというアイデアにたどりついたという経緯があります。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:この後に続く、クラウドとエアリスが建物の屋根の上を歩いていくシーンは、個人的に本作の最もお気に入りのシーンです。浜口さんが同じことを仰っているコメントを以前読みましたが、どうして浜口さんにとってお気に入りのシーンなのですか?

A:リメイク作品の本質として、当時では再現できなかった表現を今の技術で再創作するという点があると考えています。

原作でエアリスとクラウドが屋根を単純にジャンプして移動するプレイアブル部分が、リメイク版ではリアリティを実現することで、「実は彼らはこんな風景を見ていて、こういった経験をしていたんだ。」と原作をプレイして脳内で想像していたものを実際に体験することができるようになりました。
このような再創作がリメイク作品としての意義であり、エアリスとのデートパートはそれを象徴しているので、私としてもお気に入りの場所の一つになっています。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:ゲーム内のエアリスの家をデザインするのはどれくらい大変な作業でしたか?コンセプトアートに基づいて一からデザインしたのでしょうか?正確に捉えるために、特別に検討しなければならないポイントはありましたか?

A:エアリスの家は、あまりきれいに作ってしまうとスラムの住人の暮らしぶりと格差が出てしまいますし、かといってオリジナルのデザインを崩したくないので、素敵な家で素敵な環境ではあるものの、やはりスラムの一角なのだという雰囲気を醸し出せるように意識しました。

三宅 貴子(エンヴァイロメントディレクター)

Q:本章では、チャドリーのおかげでVRバトルとしてシヴァに挑むことができますが、召喚獣とのバトルをどうしてVRバトルとして実装することにしたのでしょうか?

A:召喚獣の扱いに関しては非常に悩みました。
実は『FFVII』の世界観では召喚獣とは古にライフストリームに溶け込んだ知識という設定になっており、クラウドたちが存在している世界では、召喚獣に対しての背景は多く語られていません。リメイク作品で召喚獣の背景を深堀するという方向性もあったかもしれませんが、多くを語らないことが逆に召喚獣としての魅力を守り続けると考えました。

そこで世界観に大きく組み込むよりは、チャドリーを経由してストーリー進行に合わせて召喚獣と白熱したバトルをすることができる遊びの要素として組み込むことにしました。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:クラッシュボックスは最高の景品を目指して最適のルートを探すことが醍醐味かと思います。
このミニゲームは、どのようにして誕生したのでしょうか?ぜひ色々と教えてください。

A:原作をプレイして「ミニゲームが多いのが『FFVII』だ」という認識を持っているファンも多く、リメイク作品でも相当数のミニゲームを制作する計画で挑みました。
伍番街スラムでは当初からミニゲームを一つ作る予定になっており、企画フェーズで色々とアイデアを出した時に、スラムの子供たちが遊べそうなものというコンセプトで進めようとなりました。
その中で活発なスラムの子供たちが遊びそうなものとして、クラッシュボックスのアイデアが生まれたのです。ほかには『クライシスコアFFVII』に出てくる花売りワゴンをつかって不安定なスラムの道を操作して、花が落ちないように移動させる。などのアイデアも出ていましたね。
クラッシュボックスはINTERGRADEでも新しく進化しており、続編タイトルでもさらなる進化するチャンスがあればなと考えていたりもします。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Chapter1~6はこちら!