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  • 2022.08.26

【ファイナルファンタジーVII 25周年記念】 FINAL FANTASY VII REMAKE REVISITED ~開発秘話ブログ~ Chapter7~11

『ファイナルファンタジーVII』25周年を記念して、『ファイナルファンタジーVII リメイク』の開発者たちのインタビューを掲載!
ここでしか読めない開発秘話を1週間に1Chapterずつ公開いたします。

ブログを読んだ後は『FFVII リメイク』を再びプレイしたくなること必至!
開発の舞台裏を知って、また一味違ったミッドガルの旅をお楽しみください!
※記事内には『ファイナルファンタジーVII リメイク』の内容含みますので未プレイの方はプレイしてからご覧いただくことを推奨いたします。

Chapter1~6はこちら!
Chapter12~16はこちら!
Chapter17~18はこちら!

Chapter7: 伍番魔晄炉の罠

Q:デザインの観点から、伍番魔晄炉と壱番魔晄炉の違いを教えていただけますか?
差別化を図るためにこだわった点、異なるデザインにした理由があれば教えてください。

A:特に使用されているライトに差を出しました。壱番魔晄炉は暖色(古いライトでエネルギーの効率が低め)、伍番魔晄炉は寒色(最新式のライトでエネルギーの効率が高め)という設定にして、新旧のイメージ差を出したいと考えました。

三宅 貴子(エンヴァイロメントディレクター)

Q:この章でのハイデッガーとプレジデント神羅の見た目は、原作『FFVII』と大幅に異なっているようです。彼らをプロジェクション(投影)の姿で描こうと思ったきっかけを教えていただけますか?

A:原作『FFVII』と『FFVII リメイク』とのテクノロジーの解釈を刷新しようとしたときに出たアイデアの一つです。
最初の案は普通のスクリーン演出であり、物足りなさを感じていました。
例えばオールドSFの映画がリメイクされるときUIの表現が大幅に変更されることが多く、『FFVII リメイク』でもその見せ方やガジェットの進化を表現したかった。
結果立体的な投影表現にすることにより、演出的に威圧感と高慢さを出すことができ、良い絵作りができたと思っています。

高井 慎太郎(グラフィックス&VFXディレクター)

Q:スイーパーとは似て非なる「カッターマシン」が登場しましたね。
こういったいわゆる亜種となるモンスターのデザインはどのように生まれるのでしょうか?

A:モンスターには亜種含め登場場所や攻撃方法など、バトル企画チームの方でモンスターの形状や動きに関わる設定が付けられています。
その設定に基づきながら、ゲーム中に「スイーパーとは変化が大きく見えるようなデザイン」を起こしていきます。
例えばスイーパーの攻撃でよく使用する腕の部分でいうと、「機銃」から「カッター」に変更する事で見た目だけではなく動きや攻撃方法など多岐にわたって違いを生むことができます。
(ただし変更しすぎるとモデル制作コストが増えるので気をつけないといけません。)

風野 正昭(キャラクターモデリングディレクター)

Q:この章では、特に巧みに伏線を張っていると感じました。早い段階でエアバスターをプレイヤーに見せようと思った理由は何でしょうか?(通路で整備中のエアバスターがみえたこと)

A:このチャプターのレベルデザインとしては、プレイヤーの攻略によってボスであるエアバスターの難易度が変わるという点にあります。そう考えたときに、ユーザーには最初にエアバスターを認識して伏線を出しておきたいという考えにいたるのは必然でした。
ストーリーも神羅側はエアバスターのセットアップを頑張っており、プレイヤーはそれを邪魔するという要素で構成されており、起承転結のストーリーとしても綺麗に構成できたのではと思っています。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:私自身ここで非常に手こずったのでどうしてもお伺いしたいのですが・・・クラウド、バレット、ティファが息を合わせてロックを解除するミニゲームを復活させたのは一体誰のアイデアだったのでしょうか?
このような原作『FFVII』のオマージュが見られるのはとても素敵だと思います。原作『FFVII』から、このような細かい要素まで含める事はどれくらい重要でしたか?

A:実は・・・人員の調整をしているときに伍番魔晄炉の企画担当がたまたまハマらなくて、プロデューサーの北瀬に序盤の企画を担当してもらっていた経緯があります。その頃からロック解除をミニゲームにしたいと企画書に書いてありましたね(笑)

ロック解除に限らずスクワットやGバイクなど原作にあったミニゲームがリメイクでどのようになるのか?というのはユーザーが期待する要素だと常に意識して開発をしていました。また、「FFVII=ミニゲームやダンジョンギミックが豊富」というイメージを皆さんが持っていると思いますので、今作だけでなく次作も含めてユーザーの期待に応えられるように企画しなければという責任感を感じています。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:息を合わせてロックを解除するシーンではクラウドとバレットの距離が少し縮まったような感じがします。まさか冗談を言うほどにまでなるとは!非常に異なる二人のキャラクターの友情を描くのはどれくらい難しかったでしょうか?

A:壱番魔晄炉爆破の後、アバランチメンバーと行動をともにする一夜が入った後、バレットも徐々にクラウドに心を開いています。どちらかというとバレットは元々好意的に思っていたのですがクラウドのクールな態度でその気持ちを表現できず、伍番魔晄炉のあたりでは再び仲間になったことで距離が縮まっています。爆破ミッションという緊張状態がいわゆる「吊り橋効果」的に仲間達との絆を強めたのかもしれません。似たもの同士ではないところが逆に補い合って良いのではないでしょうか。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:神羅カンパニーはアバランチのテロ活動をウータイのせいにする思惑があるようです。
彼らは何故そうしたいのでしょうか?

A:ウータイとの戦争が始まれば莫大な経済効果が生まれます。世界の中で神羅の配下にないウータイと、反神羅活動をするアバランチを一挙に叩きつぶすために、今回の策略が神羅カンパニーの主導により動いています。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:神羅カンパニーはバレットやクラウドの様子をテレビで中継しました。ミッドガルの人々が彼らを認知する(TVに映っている人だと気が付く)場面は計画されていたのでしょうか?

A:TV放送ではアバランチの顔の詳細までは認識できる状態では流しておらず、不気味な反神羅的なテロリストが活動しているというような漠然とした社会不安を植え付けることを目的としています。これは民衆への神羅への依存度を高める目的と、あとで神羅側でアバランチと思われる実行犯を適宜処分できるように余地を残しておく策略のひとつです。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:エアバスターとのバトルで流れる楽曲は本当に凄かったです。特に、バトルフェーズ毎に様々な旋律が組み合わさって構築されているところが素晴らしいです。
この楽曲はどのようにして一から創り上げられたのでしょうか?そもそも作曲を始める前の段階では、どのような情報が共有されるのでしょうか?バトル全体の流れを共有してもらい、そこから作曲作業が開始されるのでしょうか?

A:オリジナル版で一番最初に「更に闘う者達」が聞けるのがこのエアバスター戦になります。ここに辿り着くまでにも「更に闘う者達」のメロディーは使ってきましたが、オリジナル版に近いロックギターアレンジ版は、このバトルで使いたいなと考えていました。ボス戦にフェーズがある事を作編曲家の牧野忠義さんに伝え、どんどんテンションが上がっていく感じで製作してもらいました。

河盛 慶次(ミュージックスーパーバイザー)

Q:クラウドが落下した時、フィーラーに囲まれました。
クラウドは助けられているのか、もしくは別の事を表しているのでしょうか?

A:このときにクラウドが助かるのが運命ですので、その運命を守っています。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Chapter8: 再会の花

Q:本章全体にわたって流れる「教会に咲く花」は、多くのプレイヤーの涙を誘いました。原作の『FFVII』の楽曲を、フルオーケストラ版として再創造するのにはどれだけの作業と労力を要したのでしょうか?

A:過去のゲームの楽曲をアレンジする際にその譜面を正確にコピーすることは当然のことなのですが、『FFVII リメイク』の場合は「リメイク版楽曲を聴いたプレイヤーが、当時のプレイヤーと同じような気持ちになれるかどうか?」という所にとても重きを置いていました。

当時の内蔵音源ベースの音楽には様々な制約(同時発音数や音色の数の制限など)があり、現在の音楽制作と比べると驚くほどリソースが少ないのですが、その制約があってこそあの独特なエネルギッシュで分かりやすく、メロディの強さが異常に際立っていた音楽表現になっているんですよね。
そして、そのサウンドに魅了された僕のようなプレイヤーがたくさんいたと思います。まさに内蔵音源黄金時代!と言えるかもしれませんね。
なので、単にリッチなオーケストラに変換するだけでなくて、昔からのファンには内蔵音源の懐かしさを感じてもらい、初めてのプレイヤーにはその独特さを味わって貰えるようなアレンジを目指していました。

「教会に咲く花」のアレンジでもまず最初にやったことは、「この曲を聴いた時に当時のプレイヤーは何を想ったんだろう?」と考える所からでした。
「ミファ#ラ ミファ#ラ…」とループするPS音源をずっと聴いていると、単に美しいだけでなく今にも壊れそうな脆さを感じてしまいます。その部分こそ「教会に咲く花」に当時のプレイヤーが感銘を受けた部分なのではないかと考え、「美しさと脆さ」をプレイヤーの皆さんにお届けすることを目標にアレンジを始めました。

サウンド面で具体例を上げると、例えばピアノの音色にはゴージャスなグランドピアノでなく、ハンマーのフェルトが弦に触れる音が際立つ古いピアノを選んだり、生演奏のストリングスの上に薄く音程が合っていないものを重ねたりなど…(この辺の工夫は良く聴かないと分からない範囲に留めていますが)、様々な退廃のエッセンスを加えています。
実は「教会に咲く花」はフルオーケストラのアレンジとしては非常に薄味で、使用している楽器の数を敢えて抑えているのもその理由からです。

またこの楽曲は、「鳴らし方」の部分にも拘っていて、短いイントロのループ→エアリスとの会話が進むに連れ、本編に自然に移行→エアリスが廃墟を見下ろしながらクラウドに語りかけるシーンで追加のストリングスがさりげなく入ってくる、という三段構造になっています。美しく生まれ変わった映像でより「教会に咲く花」の良さを味わっていただくために、このような調整にしています。サウンドトラックではこれらを順番につないでいますが、実はゲームの進行に合わせて展開することが前提でのアレンジなので、今一度音楽に注目しながらChapter8を遊んでいただければ非常に嬉しく思います!

島 翔太朗(株式会社 グローブ・エンターブレインズ)(アディショナルコンポーザー)

Q:本作においてこの段階まで来ると、クラウドは原作の『FFVII』のストーリーにおいて後ほど起こる出来事の「フラッシュフォワード(未来予知)」を体験するようになっていますが、これはなぜでしょうか?

A:八番街市街地でエアリスと接触してからクラウドにもフィーラーが見えるようになっています。このときから時間の流れである運命がクラウドの記憶にノイズがある影響もあり一部見えるようになります。ただその幻影は一瞬であり詳細が見えているわけではありません。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:レノはとても俊敏で、手数の多いボスでしたね。
どのようなコンセプトのもと、バトルにおける「レノ」というボスキャラは作られていったのでしょうか?また、大変だったことなど制作過程のお話もあれば教えてください。

A:対比となるルードとの関係性もあったので、ルードはどっしりとした構えやガードを駆使した戦闘に対して、レノは素早い動きや回避といった点を特徴としました。
動きや軌道が複雑なキャラクターでしたので、その制御を組み込むのは苦労もありました。

遠藤 皓貴(バトルディレクター)

Q:フィーラーの「壁」の後ろにマテリアが隠されていたことには、「してやられた」と感じました。ゲームを進める中で、プレイヤーがこのエリアを再び訪れるだろうという考えに基づいた工夫ですか?

A:意地悪であったら、ごめんなさい(笑)
チャクラのマテリアなのですが、ハードモードをプレイしている人には理解できると思いますがMP縛りがある状態で活躍するマテリアになっていまして、ゲーム中に3個あるチャクラマテリアを全てそろえるにはちょっとした難易度があってもよいだろうという判断でこの場に隠させていただきました。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:原作の『FFVII』ではエアリスが神羅兵から危害を加えられないように樽を使って神羅兵の気を散らしますが、本作ではシャンデリアを切り落とします。さりげない変更点ではありますが、どうしてこのような変更を取り入れたのでしょうか?

A:この部分の企画は非常に難航していたところになります。実は樽を落とすという原作通りの企画も検討していたのですが、どうしてもリアリティを出すことに苦労していたのです。シリアスな場面に樽だとコミカルに映ってしまうというのが悩みでありました。
その頃に神羅ビルでのティファの雲梯を実装していて、クラウド側は雲梯中に銃撃されることで緊張感をだしてみようと試作していた時に、その流れで雲梯中にシャンデリアを切り落とすのがよいのではというアイデアにたどりついたという経緯があります。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:この後に続く、クラウドとエアリスが建物の屋根の上を歩いていくシーンは、個人的に本作の最もお気に入りのシーンです。浜口さんが同じことを仰っているコメントを以前読みましたが、どうして浜口さんにとってお気に入りのシーンなのですか?

A:リメイク作品の本質として、当時では再現できなかった表現を今の技術で再創作するという点があると考えています。

原作でエアリスとクラウドが屋根を単純にジャンプして移動するプレイアブル部分が、リメイク版ではリアリティを実現することで、「実は彼らはこんな風景を見ていて、こういった経験をしていたんだ。」と原作をプレイして脳内で想像していたものを実際に体験することができるようになりました。
このような再創作がリメイク作品としての意義であり、エアリスとのデートパートはそれを象徴しているので、私としてもお気に入りの場所の一つになっています。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:ゲーム内のエアリスの家をデザインするのはどれくらい大変な作業でしたか?コンセプトアートに基づいて一からデザインしたのでしょうか?正確に捉えるために、特別に検討しなければならないポイントはありましたか?

A:エアリスの家は、あまりきれいに作ってしまうとスラムの住人の暮らしぶりと格差が出てしまいますし、かといってオリジナルのデザインを崩したくないので、素敵な家で素敵な環境ではあるものの、やはりスラムの一角なのだという雰囲気を醸し出せるように意識しました。

三宅 貴子(エンヴァイロメントディレクター)

Q:本章では、チャドリーのおかげでVRバトルとしてシヴァに挑むことができますが、召喚獣とのバトルをどうしてVRバトルとして実装することにしたのでしょうか?

A:召喚獣の扱いに関しては非常に悩みました。
実は『FFVII』の世界観では召喚獣とは古にライフストリームに溶け込んだ知識という設定になっており、クラウドたちが存在している世界では、召喚獣に対しての背景は多く語られていません。リメイク作品で召喚獣の背景を深堀するという方向性もあったかもしれませんが、多くを語らないことが逆に召喚獣としての魅力を守り続けると考えました。

そこで世界観に大きく組み込むよりは、チャドリーを経由してストーリー進行に合わせて召喚獣と白熱したバトルをすることができる遊びの要素として組み込むことにしました。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:クラッシュボックスは最高の景品を目指して最適のルートを探すことが醍醐味かと思います。
このミニゲームは、どのようにして誕生したのでしょうか?ぜひ色々と教えてください。

A:原作をプレイして「ミニゲームが多いのが『FFVII』だ」という認識を持っているファンも多く、リメイク作品でも相当数のミニゲームを制作する計画で挑みました。
伍番街スラムでは当初からミニゲームを一つ作る予定になっており、企画フェーズで色々とアイデアを出した時に、スラムの子供たちが遊べそうなものというコンセプトで進めようとなりました。
その中で活発なスラムの子供たちが遊びそうなものとして、クラッシュボックスのアイデアが生まれたのです。ほかには『クライシスコアFFVII』に出てくる花売りワゴンをつかって不安定なスラムの道を操作して、花が落ちないように移動させる。などのアイデアも出ていましたね。
クラッシュボックスはINTERGRADEでも新しく進化しており、続編タイトルでもさらなる進化するチャンスがあればなと考えていたりもします。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Chapter9: 欲望の街

Q:エアリスがクラウドとハイタッチしたいという設定と、その後のシーンでお互いにハイタッチしようと何度か試みるアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか。

A:伍番街スラムからウォール・マーケットに向かう過程は、エアリスとクラウドのたいせつな時間で、エアリスの言う「報酬はデート1回」のデートのひとときです。そのふたりの関係性を描くためにハイタッチというふれあいで距離が縮まっていくのを表現しています。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:原作『FFVII』のウォール・マーケットのBGMが『FFVII リメイク』のサントラでは「ウォール・マーケット -欲望の街-」に変化を遂げるとは想像もつきませんでした。本当に素晴らしいと思います。このようなアレンジを加えるアイデアはどのようにして思いついたのでしょうか?

A:ウォール・マーケットの場合だと『FFVII』の原曲と『FFVII リメイク』の新曲を並べた時に違和感なく繋がり、街の雰囲気に馴染むか、そしてマーケット内を歩いている時に映る景色や流れ、「こういうBGMが流れているかも」とイメージし探る感じで組み立てていきました。なるべく固定概念を取り払い、自分が見て感じた物をそのまま音としてまとめる事を大事にしています。ただコルネオは常に脳裏に住んでいましたね(笑)

鈴木 光人(ミュージック)

Q:ウォール・マーケットの全く新しいBGMを作曲することは恐らく非常に難しい決断だったのではないかと思います。ウォール・マーケットをイメージした全く新しい曲を作るという決断に至った過程を教えてください。

A:とにかくあちこちから音楽が聴こえてくるようなガヤガヤした雰囲気を表現してほしいというのが、鳥山からのオーダーでした。チョコボ・サムと出会い街に入るとすぐ、煌びやかなネオン街を盛り立てるようにサックスが盛り上げ、狭い路地裏に入るとBGMが聴こえなくなり、手揉み屋近辺に行くと、タブラとシタールが怪しい雰囲気をかもしだす。一言で表現すると「無国籍サウンド」になるのですが、ディストピアな世界でも今宵は時間を忘れ、泡のような一夜を楽しむ、新曲についてはそんなカオス的な空間をイメージしました。加えて、蜜蜂の館/ミッドガルブルースも同様に『FFVII リメイク』の世界観を拡げる要素の1つとなっていれば嬉しいです。

鈴木 光人(ミュージック)

Q:オリジナルの『FFVII』から、ヘルハウスが本格的なボスとして『FFVII リメイク』に登場してくれたことが本当に嬉しかったです。ハードモードにトンベリが加わったことも含め、この場面をボス戦に変更するにあたってチームの方々はどのような過程をたどったのでしょうか。

A:属性を多く準備して各状態に適切に対応していくという遊びを作りたかったのですが、
それをゲーム内でわかりやすく伝えることに苦労しました。その点がやや伝わりにくかったところもあり、少し苦戦を強いるボスになってしまった点は心残りです。
ただ、存在感のあるボスにできたことはリメイクとしてよかったと思っています。

遠藤 皓貴(バトルディレクター)

Q:スクワットミニゲームは一見単純に見えるのですが、きちんとやろうとすると非常に難しいです。開発時は、丁度いい難易度にするため何度も調整を行う必要があったのでしょうか。

A:この手のミニゲームの難易度を決めるのはいつも悩みますね。
クエストやメイン進行を進めるだけが目的の場所であれば誰もがストレスを感じる前にクリアできる難易度に調整しますが、やり込み部分を含めたときは何度もプレイしてパラメータを調整してもらいつつ方針を決めます。
ゲーム中にボタンのUIが消えて入力の難易度を上げるタイミングがあるのですが、あれは企画書段階では予定されていなかったものでプレイテストをしているうちに、難易度を上げるために記憶力に頼るフェーズが入ったほうが面白くなりそうと後追いで追加された仕様だったりもします。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:サイドクエストにまた訪れたり、追加のクエストをクリアした際のオプションを設定したり、このチャプターにはいくつサイドクエストを含めるかどうかなど、どのように決定するのでしょうか。また、話は逸れますが『FFVII』原作でクラウドがウォール・マーケットで行うクエストをまねたサイドクエストを作っていただきありがとうございます。原作への素晴らしいオマージュだと思います!

A:前述のクエスト関連のコメントでも答えている部分にはなりますが、サイドクエスト=「スラムの人々を深堀する」というコンセプトでゲーム設計に取り入れています。

そのコンセプトから七番街スラム、伍番街スラム、六番街スラム(ウォール・マーケット)、崩落後の伍番街&六番街スラムでクエストを展開するという方針が開発中盤にはしっかりと固まっていました。また、クエストを通してウォール・マーケットでの衣装が確定することがやりたかったこともあり、
七番街スラム=ティファの衣装
伍番街スラム=エアリスの衣装
六番街スラム(ウォール・マーケット)=クラウドの衣装
となるようにクエストが役割を担っています。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:蜜蜂の館の場面は、ファンと評論家の両方から趣味が良く、敬意に値すると高く評価されました。原作の『FFVII』には全くなかった新規の場面であることを考えると、この場面を一から考えるのは簡単ではなかったと思います。どのようにこの場面は出来上がったのでしょうか。

A:ジェンダーフリーなどの観点から原作の蜜蜂の館のエピソードは変更することを最初から決めていました。そこでクラウドの女装イベントの最大の見せ場となるように、かつ今作の物語の中でエンタテイメント的にショーアップしたシーンとして最高潮になるように蜜蜂の館のダンスシーンとして一新してリメイクをおこないました。ダンスシーンの映像のリファレンスを集めて方向性を決め、その映像を編集した仮映像にあわせつつ音楽や歌詞を作り、さらにそのあと振り付けに進むといった準備だけでも、いちばん長い制作期間がかかっていると思います。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:ダンスの振付で、『FFVII』原作のクラウドの動きが反映されているところが本当に大好きです。
アニヤン・クーニャンとのダンスシーンは振付を考え、モーションキャプチャー撮影を行ったのでしょうか?どのように作られたのか教えてください。

A:ダンスシーンはアニヤン・クーニャンの設定が蜜蜂の館のオーナーに変更された事が大きく影響しています。キャバレーにおけるショーレビューを参考にイメージ映像を制作し、リファレンスと音源を元に振付を考えて頂いています。
また企画当初から『FFVII』らしいダンスシーンにしたいという気持ちがありました。企画当初はダンス中に凶切りを入れるネタも考えていましたが、武器を出すと唐突すぎてシーンに合わず結果的に印象的なポーズを入れる方向で調整しています。
気づいて頂いたなら演出冥利につきますね。あらためて頑張ったご褒美がもらえた気持ちです。

三宅 秀和(カットシーンディレクター)

Q:クラウド、ティファ、エアリスのドレスの衣装はどのようにしてできたのでしょうか。1人が、全てのデザインを担当したのでしょうか?それともチームの方々が協力して作り上げたのでしょうか?また、ドレスのデザインの中で、結局ゲームで使われなかったものはありますか。それらを見ることはできますか。

A:メインキャラ達のドレス姿のデザインを担当したFerrariと申します。 オリジナルの『FFVII』を基にして服のリデザインをしました。キャラ達のカラーリングを保ちながら、パーツを増やして細かい装飾を入れる方向でアプローチしました。

野村に方向性の提案を見せた後、絵を詰めて行く流れですのであまり無駄のない作業になっています。完全に違ったデザインの提案はしていませんが、服のカラーバージョンが存在しています。
たとえば同じ紫でも青紫色・赤紫色のパターンをチェック段階で野村のチェックに回して、お好みの色を選んでもらったりしました。クリーンアップされていない提案は、やはり見せたくありません(汗)。

ロベルト・フェラーリ(キャラクターデザイン)

Q:『FFVII リメイク』ではプレイヤーがクラウド以外のキャラの操作をする場面がいくつか存在します。これにはどのような理由があるのでしょうか。

A:原作の『FFVII』がクラウドを中心としたストーリーであり、操作キャラとしてもクラウドがメインで構成されています。
リメイク作品でも基本的な発想は変えていないのですが、各パーティメンバーもキャラクターの個性がしっかりしており、それぞれにファンが多くいますので、ファンサービスとしてもゲーム内で各キャラクターが一度は主人公になってプレイアブルパートで操作できる機会を用意したいと考えてゲーム設計をしています。
この発想は今作だけでなく次作含めて継続していくべきものだと考えています。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Chapter10: 焦りの水路

Q:アプスとの戦闘は2019年の東京ゲームショウで初公開されましたが、長いゲームプレイ映像をファンに見せるという意味では重要な出来事でした。当時の思い出などはありますか?また、世界中のファンからの反応についてはどう思われましたか?

A:東京ゲームショウでアプス戦を公開した際にイベント会場のお客様、放送でご覧いただいたたくさんのファンの皆様から熱狂を感じることができてとても嬉しく、ありがたかったです。我々はアプス戦内で「召喚獣を用いたバトル」をお見せするというのもマーケティングテーマの一つとして持っていました。映像内で初公開したイフリートとの共闘にも歓声があがっていたのをみて、『FF7R』のバトルは「きっと喜んでいただける、早くプレイしてもらいたい」と心から思いました。
また、同じ東京ゲームショウのステージで初公開した「クラシックモード」(原作に近いプレイ体験を楽しむことのできる、コマンド選択以外はオートでプレイできるバトル)。自分が操作していないことを証明するために自分のコントローラーと手をカメラで抜かれたときは手の震えを抑えるのが大変でした。笑

渡邊 勇磨(シニアアシスタントプロデューサー)

Q:『FFVII リメイク』で戦闘中に操作できるキャラのうち、エアリスは最も難しいかと思います。開発中に全く違う戦い方をしていたことはありましたか?戦闘中のエアリスの戦い方に関して、最も自慢したいものは何ですか?

A:エアリスは魔力が高く、魔法を使っていくことで本領発揮できるキャラクターにしようというところからスタートしました。ただ、最初から魔法で回転率高く戦えてしまうと味気なく強いキャラクターになってしまうので、バトル開始から、少し準備や体勢を整えてから爆発的に火力ややれることが増えていくようなタイプに設計していました。
敵との間合いを取ったり、ATBを溜める部分はやや他のキャラクターよりも苦手とするのでそこがむずかしさにつながったかと思います。

遠藤 皓貴(バトルディレクター)

Q:地下下水のフォグ感はとても雰囲気が出ていたと思います。あの濃すぎず、薄すぎずなバランスを保つのは大変でしたか?ライティングとの調整はすんなりいきましたか?

A:フォグの濃さとライトは密接な関係があるため、ライティングセクションでフォグの調整を行っていました。フォグの濃さは何度か変更を加えましたが、同時にライトの強さも調整して全体の雰囲気を調整しています。

山口 威一郎(ライティングディレクター)

Q:このチャプターを通してティファとエアリスの友情が深まっていきますが、友情を深めつつそれぞれの思いを描写するために、二人の出番を増やすことは重要でしたか?

A:ミッドガルの物語の中では、ティファとエアリスのふたりが一緒にいる時間が意外と短いので、この地下下水道でふたりの関係性に焦点をあてることにしました。こんなジメジメした場所しか用意できなかったのは、原作がありきの物語ならではですね。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:排水ポンプのミニゲームでは、ティファとエアリスの友情が試されましたね!このミニゲームが実装された理由は何でしょうか?

A:ティファとエアリスの友情を感じてもらえたならうれしい限りです。排水ポンプは野島さんの台本に記載されていたものではないのですが、ティファとエアリスがカットシーンの中だけで打ち解けていくのではなくて、「プレイヤーの操作で」彼女達が協力して一つのことを実現させたいという考えが常にありました。
このタイミングで排水ポンプのミニゲームを入れたいと提案したのが開発の後半の方だったこともあり、デザイナーからはアセット作成のスケジュールに関してだいぶ抵抗されましたが、ここに彼女たちの協力作業を入れることの重要性を説明して、なんとかスケジュールに組み込んでもらったという経緯があります。対応してくれたデザイナーには本当に感謝しております。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:排水ポンプのミニゲームは難易度が高いですが、ストレスは溜まらないようになっています。このバランスを取ることは困難でしたか?

A:1つ上の質問でも答えている通りで、彼女たちの協力ということを体験してもらいたいので難易度は少しだけ高めに調整しました。ただし、失敗するたびにちょっとずつ難易度を緩和して、誰でもクリアできるように調整をしています。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:オリジナル版では、下水道のパートはもっと短く作られていました。『FFVII リメイク』で長くされたのは何故ですか?

A:チャプター10が原作より密度が上がっているのには明確な理由があります。ゲームデザインを構成する上でチャプター12の七番街支柱の攻防は本作品における、中盤の最も大きなクライマックスだと位置づけていました。そのため、七番街支柱に到着した時の達成感を演出する必要がありました。
その演出の一つの要素として、コルネオの館→地下下水道→列車墓場→七番街支柱と実スケールで構成することで、ミッドガルの距離感を実体験で感じてもらえるように気を遣っています。
実際にプレイした時に七番街支柱に到着した時に、やっと支柱に戻ってこれたと感じてもらえたのではないでしょうか?

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:下水道パートのコンセプト・アイデア・敵などで、製品版には採用されなかったものはありましたか?もしあったとすれば、その理由を教えてください。

A:下水道パートは企画の段階で、水位を上げ下げすることでダンジョン自体が迷路のように構成される予定でした。しかしながら、七番街支柱に急ごうという心理状態で水位を上げたり下げたりしてユーザーを迷わせ、足止めさせる行為がストーリー体験として合っておらず水位を上げ下げするギミックは誰もが迷うことなく進行できる難易度に調整した、という経緯がありました。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

Q:チャプター10では、カエルに変えられてしまうこともありますね!FFシリーズの伝統的なこの状態異常を『FFVII リメイク』にも入れることはどれほど重要でしたか?各キャラクターのカエル版のデザインはどなたが担当されましたか?また、どのようにして作られ、最終的にゲームに実装されましたか?

A:もちろん、リメイクするうえでカエル要素は必須でしたので、無くす選択肢はありませんでした。
デザインは、風野を筆頭にデザイナーの方々にキャラクターごとにしっかりと元の面影が感じられる形で熱量高くデザインしていただきました。
カエル状態になっても多少やれることはある方が楽しめるかと思い、△ボタンやアビリティは用意する形で作成していきました。

遠藤 皓貴(バトルディレクター)

Chapter11: 亡霊の悪戯

Q:このチャプターでは、『FFVIIR』の雰囲気がガラッと変わりますね。開発途中、ストーリーの流れを壊してしまうかもしれないといった懸念はあったのでしょうか。

A:列車墓場をひとつのチャプターとして独立させることもあり、原作にはないエピソードを追加して物語を構成しました。ここも前章同様にエアリスとティファの関係性を作るのに大事なひとときですので次の章でエアリスと別れるときに効果的になるようにつなげています。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:チャプターの途中で霊による落書きが出てきますが、これはどなたがデザインされたのでしょうか?また、どのようにしてデザインを形にしていったのでしょうか。デザイン制作の際に参考にした素材などありましたら教えてください。

A:私がデザインしました。10歳前後の子供が描く絵ということで、実際の子供の絵を調べたり自分の当時の絵を思い出したりして絵柄を決めていきました。おばけについては、『FF7R』の世界の子が思い描くものとして「ゴースト」に合わせたデザインのアレンジをしています。初めは子供らしく色数を多く使ったのですが、怖い印象にするために最終的にはモノトーンとなりました。

菅原 瑞士(エンヴァイロメントアートワーク)

Q:原作にもいたモンスター「ゴースト」が今作でも登場しましたね。
原作の時は白いモンスターという印象でしかありませんでしたが、今作のゴーストを見ると「あの白いボディは布だったんだ!」といい意味で衝撃を受けました。
こういったモンスターの質感やディテールはどうやって決まっていくのでしょうか?
キャラ班が単独で決めるものなのでしょうか?

A:「ゴースト」が実体化した時に雰囲気を壊さずキャラクター性を出す為にはどういった質感が良いのかを考えながら布に決まっていきました。質感などを決める時には、キャラクターやゲームでの使われ方によって変わりますが、殆どはイラストの段階で複数案を出してみて野村や高井(慎)などと確認しながらキャラクターに合った物が決まっていきます。又、モデルをゲームに配置した後に背景に溶け込みすぎて目立たない場合や、登場する場所の雰囲気に合わせたりする為にデーターを作りながら決まっていく事もあります。

風野 正昭(キャラクターモデリングディレクター)

Q:エアリスとティファがクラウドの腕をつかみ車両倉庫へ先導を切って入っていくよう説得する、かの有名なシーンがありますが三人はそれぞれ何を思っているのでしょうか?
緊張が走っているように見えますが…。

A:テーマパークにあるお化け屋敷的な場所に好きな人ふたりに囲まれて入っていくというシチュエーションをイメージしてはいますが、本人達にとってはいたってまじめにお化けを怖がっていてクラウドにすがっているような状況です。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:このチャプターではたくさんの異なる光源があり、施設に立ち込めるかすかな霧の効果も見受けられます。これらを全て現実的に見せるためには、どんなことが難しかったですか?

A:遠景に見えるプレートや七番街支柱の光などもあり、様々な光の要素がミックスされたロケーションでした。その中でホラーテイストも表現しなければいけないのが困難でしたが、これはフォグとカラーコレクションで解決しています。異なる色味の要素に一定の色味を加える事で、全体的な統一性やリアリティを持たせています。

山口 威一郎(ライティングディレクター)

Q:敵のゴーストが持つ肉体あるいは魔法攻撃の耐性をつけられるアビリティは、プレイヤーにパーティキャラクターの有効活用を促しているように感じますが、これはそのような意図があるのでしょうか?

A:そうですね、キャラクターチェンジや他のキャラのコマンドをうまく使いながら攻略していく遊びを実現するための仕掛けの一つです。
ゴーストの持つ特徴、イメージとうまくマッチした形で実装できたかと思います。

遠藤 皓貴(バトルディレクター)

Q:レノとルードはプレートを爆破する自分達の役割が気に入らず心底イライラしているように見えますが、彼らは本当にこの任務を成し遂げたかったのでしょうか。

A:タークスにとって神羅の命令は絶対ですので本人達の意思がどうであろうがそれが仕事であるならば、成し遂げなければなりません。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:エアリスのフラッシュバックでは彼女の幼少期のことが垣間見え、彼女の心にある弱いところや脆さを感じました。こういったところはゲームの中でもっと描きたかった部分なのでしょうか。

A:エアリスの古代種(少女)時代のエピソードは今回キャラクターを深掘りする際に補強したいと考えていた要素のひとつです。ただ多く語りすぎると回想が増えて物語が進まなくなりますので、もっと知りたいと思ったファンのみなさん向けには、小説版(『Trace of Two Pasts』)で、さらに補足してエアリスやティファの昔の話を知れるようにしています。

鳥山 求(共同ディレクター(シナリオデザイン))

Q:原作に比べて列車墓場はかなり広大なマップに変わったと思います。
列車の屋根の上を歩いて渡ったり、「列車を発進させて他の列車を押す」など原作ギミックを残しつつ新しく作り変えることは大変だったのではないでしょうか?

A:はい、絵の表現がリアルになったので見た目の整合性を取るのが大変で、担当スタッフは列車の資料や線路の資料を片手に、ファンタジーと現実の落としどころを考えるのに努力していました。その甲斐あって、とても遊びごたえのあるマップになったと思います。

三宅 貴子(エンヴァイロメントディレクター)

Q:『FFVIIR』の列車墓場に見られるアイデアの多くは、オリジナル版開発の際に実装されなかったものなのでしょうか?それとも全てが『FFVIIR』用に新しく考案されたものでしょうか?
また、このチャプターを開発するにあたって最も困難だった点を教えてください。

A:オリジナル版として実装されなかった内容ではなく、リメイク用に新しく創作した内容になります。
このロケーションは、七番街支柱に急いで向かっているところに対して、お化けという要素がテンポを阻害しないように組み込むという点に最も悩みました。
いくつか試行錯誤した結果、急いで支柱に向かうという要素とお化けという要素を合わせるのではなくて、前半後半で展開を切り替えるような構成にしました。

グロウガイスト戦までの前半はお化けを主としたテーマで、神羅の動向などにはあまり触れないようにして、後半からは実際にプレイアブルのカメラで七番街支柱の攻防が目視できるようになったりヘリが上空を飛んでいったりなど、支柱に近づいていることを感じてもらい次の章への雰囲気づくりをしています。その点を意識してプレイしていただくと、前半後半で演出が変わっていることに気が付いてもらえると思います。

浜口 直樹(共同ディレクター – ゲームデザイン/プログラミング)

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