『ファイナルファンタジーXVI』ローカライズチームへのインタビュー後編では、「アクティブタイムロア」(訳注:世界設定を補足するシステム)や召喚獣などについて、さらに『FFXVI』のローカライズの特徴を掘り下げていきます!『FFXVI』のローカライズ全体の方向性を紹介した前編を見逃した方は、こちらをご覧ください!
『ファイナルファンタジーXVI』ローカライズチーム
-Michael-Christopher Koji Fox氏 (ローカライズディレクター、以下Koji)
-Eve Chauviré氏 (フランス語ローカライズディレクター、以下Eve)
-Manuel Gutierrez氏 (欧州スペイン語ローカライズディレクター、以下Manuel)
前回からの続きとなりますが、引き続きよろしくお願いいたします!
早速なのですが、『FFXVI』のようなストーリー、セリフ、フレーバーテキストなど、非常に多くのテキストが必要となるゲームではどのようなところで苦労したか、ローカライズチームはどのように管理していたかなど教えていただけますか?
Koji (ローカライズディレクター) :実は、メインシナリオとセリフとボイス台本だけで言えば、私が関わったタイトルの中では一番少ないものの一つだったかもしれません。カットシーンをしっかり描いているので、ゲームのストーリーは重厚に感じてもらえたと思います。しかし実際のところカットシーン内のセリフは、少なくとも私が過去に関わったどの作品と比べてもはるかに短く、それでもより自然な会話ができ、多くのことがしっかり伝わるように表現されていました。『ファイナルファンタジーXIV』のように、ある人が50行のセリフを言った後、次の人が40行のセリフで答えるゲームよりも、ストーリーのテンポは速くなっていたと思います。実際『FFXIV』では、『FFXVI』の多くのシーンのテキストよりも長いクエストのテキストを翻訳しました。
しかし『FFXVI』においては、多くのテキストはアクティブタイムロアや世界観を広げるための説明に割かれていて、ボイスのないテキストの方が、ボイスのあるセリフよりも4~5倍多かったと思います。
ボイスの部分に関して言えば、カットシーンこそ12時間か13時間分ほどありましたが、セリフはあまりありませんでした。人物がただそこに立って長い間話しているカットシーンはあまりなく、登場人物が頻繁に入れ替わりながら、情報を素早く話してそれで終わりになっていたからです。
そういう意味では、セリフを翻訳するのは本当に楽しかったです。これまでのゲーム制作のやり方で日本語から翻訳するときは、「普通の人なら2文で言うところを、16文で同じことを表現しないといけない。どうやったら冗長にならないようにできるだろう?」と考えることが多かったです。そのため、多くの部分で調整しなければならなかったのですが、『FFXVI』では実際3、4行のやりとりでしかないので、言うべきこと、必要な情報をすべてその中に集中させなければなりませんでした。そして、その中に収めきれない分は、顔の表情や言葉を発するときの感情など、実際の演技の中に組み込まなければなりませんでした。スペースががないからです。ある意味では挑戦でしたが、無駄がなく、とても解放感がありました。
――会話は本当に自然に感じていました!フランス語についてはいかがでしょう、テキストの管理などで大変だったことはありますか?
Eve (フランス語ローカライズディレクター) :フランス語チームにとってやはり一番大変だったのは、カットシーンの翻訳のリップシンク作業、つまりセリフを音声の尺に合わせることでした。唇の動きにボイスを正確に合わせる必要があるのですが、『FFXVI』では英語の口パクを使うことになっていました。英語はフランス語に近いように見えて簡単に思われるかもしれませんが、実際にはそれほど簡単ではないことがよくわかりました(笑)。特にフランス語は早口の言語であり、話すスピードが英語と大分違います。単語の綴りが近いように見えても、口頭では発音する際、音節数が違うことがよくあります。台本の尺合わせ作業は、実際には翻訳そのものよりも数倍も時間がかかるため、フランス語チームは最大7人の翻訳者が同時に作業をしていたわけです。
例えば、英語では文章の途中に間を置くことがよくありますが、フランス語では一文章の中で同じタイミングで間を再現するのはなかなか難しいのです。そのため、英語では長い文章一つの途中に2回の間を置いた場合、フランス語では不自然な間を避けるために3つの短い文章に切って文章を再構成することになります。唇の動きに合わせることがもちろんのこと、英語の発音の音節数と完全に一致させるように、翻訳した文章やそこに含まれる情報の分割の仕方、セリフの流れを完全に考え直す必要がよくありました。
さらに、フランス語圏では声優業界の規模が大きく技術の水準も高いため、ユーザーは高い質の演技力やリップシンク、こだわった配役の吹き替え版を常に期待しています。そういった期待に応えるところも、このプロジェクトは挑戦の多いものになりました。
Manuel (欧州スペイン語ローカライズディレクター) :欧州スペイン語の場合、セリフ自体のローカライズはとてもシンプルでした。日本語は曖昧さを活かした表現をすることがあります。これは日本人のプレイヤーには伝わりますが、欧米の言語では必ずしも効果的に翻訳されません。今までのプロジェクトでは、すべてをまとめてから、原文である日本語の意味合いを保つ方法を何時間もかけて考えていました。しかし、今回はそうした表現の多くが英語チームによってすでに考えられていて、最初からよく構成された台本ができていたので、セリフの調整ははるかに簡単になっていました。
――素晴らしいですね。では続いてお話にも出てきましたが、アクティブタイムロアについてさらにお伺いできればと思います。
これは『FFXVI』の特徴的な機能の一つだと思います。進行に応じて内容が更新されていきますが、これはどのようにローカライズ作業や管理が行われたのでしょうか。特定のテキストが変更されたり、編集されたりしたときに表示されるようなツールがあったのでしょうか?
Koji:専用ツールがあればよかったのですが、アクティブタイムロアは、日本語チームの青野百花さん(『FFXVI』UIデザイナー) が、他のライターさん数人の助けを借りて作成しました。彼女たちがテキストを書いて、私たちがそれを受け取って翻訳した後、何かが欠けていたり間違った場所にあることに気付いて別のエントリを追加したり、他の場所に移動したりしました。チームがエクセルで作成した、エントリのIDで更新されたことを示すツールはありましたが、数が多すぎてすべてを見つけるのは非常に困難でした。特に、数百のエントリが毎日絶えず更新されていたような時は、いくつかのものが抜け落ちてしまうこともありました。
ギリギリのタイミングで間違いに気づいて完全にパニックになったことがありましたね。アルテマについて言及するエントリを翻訳したのですが、日本語チームがアルテマについて言及しないように変更していたことがわかったんです。そのエントリはアルテマが登場する直前に表示されるもので、その段階ではまだ誰かわかってはいけない。しかし、英語では漏れてしまっていた。それはその日に更新された100件の物のうちの一つで、他の99件はすべて把握して修正していたのですが、この1件だけが抜け落ちてしまっていたんです。マスターアップの3日前にこのアルテマについて言及しているエントリのことに気が付いたのですが、英語でプレイする人にとって大きなネタバレになってしまうため修正は必須でした。河本信昭さん(リードプロジェクトマネージャー)のところに行ってお詫びをしながら「大問題が発生しました。テキストを更新してアルテマについての言及を削除する必要があるので、マスターを作り直してもらうことはできますか?」と伝えたのを覚えています。怒ったり慌てたりせず冷静に対処してもらえてよかったです。
しかし、アクティブタイムロアの作業の多くは、おそらくどの言語でも同じような感じだったと思います。毎日エクセルファイルを開いてすべてのセルをチェック、何かが変わっていないかを確認し、基本的には常に変化しているので、すべてを取りこぼすことがないように対応していく。カットシーンの途中でキャラクターがセリフを言う前にアクティブタイムロアをチェックすると特定の情報が表示されていませんが、セリフを言った直後にチェックすると別のエントリが表示されるようになりました。アクティブタイムロアには非常に多くの作業が必要だったのですが、すべて手作業で、ボタンを押すとすべての調整が更新されるような機能はありませんでした。自力ですべてのカットシーンを再生し、内容が更新される必要があるすべてのタイミングを確認していましたが、それでも完璧ではありませんでした。
例えば3つのエントリID行があり、真ん中の行が、日本語では名前を呼ぶことで情報を更新するトリガーになっているのですが、英語では翻訳の都合で順番が変わり最初の行で名前を言うことになりました。結果としてトリガーやフラグが日本語と変わってしまい、英語版では特定のタイミングでトリガーとなる言葉が出てきても、最終的に更新された内容が表示されるまで別のタイミングを待たなければならない場合がありました。いつか言語ごとにトリガーの単語が異なる場所にあったとしても、それに合わせてフラグの場所を決定できるようになれば素晴らしいと思いますが、それは次回以降の楽しみにできたらいいのかなと思います(笑)。
――Eveさんがずっと頷いてますね(笑)。
Eve:そうなんです、少しでもネタバレになるようなことがないように細心の注意を払い、日本語の内容に正確に合わせて、そこに書かれている以上のことは書かないようにしていました。それと同時に、細かい詳細を追加したいときに、ゲームを立ち上げ記事の解放タイミングを確認していました。
原文の日本語が書かれていると並行してフランス語のテキストを翻訳し、更新があったときに随時反映していたので、ネタバレになってしまうようなことはありませんでした。
例えば、「〇〇の従者」と呼ばれるキャラクターがいて、カットシーンで彼女の名前が出てくると、アクティブタイムロアではその瞬間に本名に変わる項目があります。カットシーンの途中でも詳細を確認するのが好きな人には嬉しい機能だと思いますが、フランス語では、彼女のように名前を言うタイミングと項目の更新がずれてしまうこともあって、残念ながら解放の細かいタイミングを完全に一致させることができませんでした。イベントシーンに合わせて情報が更新されるのを楽しんでくださっていた方には申し訳ないところですが、カットシーンの途中で情報が解放されるのは素晴らしいアイデアだと思いましたし、設定が好きな人には良い機能だと思います。
――私はカットシーンの途中にも確認するタイプだったので、大変な作業だったと思いますが、楽しませていただきました(笑)。
Manuelさんはいかがでしょうか?
Manuel:毎日、何百ものセルをチェックしなければなりませんでしたね。欧州スペイン語の場合は、実際のところかなり時間が足りなかったので、英訳がまだ出来上がっていない時に、日本語から直接翻訳することになりました。毎日、英語と日本語のテキスト合わせながら確認して翻訳を進めていったので、両方をミックスしたものになっています。一番の問題は、Kojiさんが言ったように、更新を見落としてしまうことでした。一部、日本語が更新されたことに気づかずネタバレを含むエントリがゲームに残ってしまっていて、それに気づいたときはとても悔しかったです。アップデートで修正されましたが、それまでの1ヶ月間は、そのエントリについて悪夢を見ていましたし、ネタバレになってしまうタイミングでプレイヤーさんがエントリを読まないことを願っていました。
Koji:アクティブタイムロアは、祖堅正慶さん (『FFXVI』のミュージックディレクター&メインコンポーザー) の音楽を除けば、最高と言える物の一つであり、今後色々なゲームで採用されてほしいシステムだと思いました。開発に携わった青野さんには敬意を表しますし、今後、誰もがアクティブタイムロアを使用できるようになるといいなと思っています。ただ、現状では問題点や、変更する必要がある部分もあると思っています。今回の制作方法では開発チームだけでなく、特にローカライズに関わる多くの人にとって作業量が増えていってしまうので、その辺りはこれから検討が必要だと思います。
――アクティブタイムロアがエクセルで、手動で管理されているというのは本当に驚きです。
Koji:実際のところはわかりませんが、青野さんは、色々な内容が書き込まれた山のような付箋と格闘し続けている感覚だったんじゃないかなぁと思います(笑)。
Eve:青野さんがそうだったかはわかりませんが、私たち翻訳者は時々混乱してしまうことがあります。ゲームの制作においてはストーリーの流れに沿って作業するとは限りませんので、どのタイミングのシーンを作業しているのか、シーンのつながりがどうなっているのかを見失ってしまうことがあります。プランナーさんも同じハードルがあり、ある情報が特定のシーンの時点でわかっている内容かどうか、完全には把握するのは難しかったのではないでしょうか。
プレイヤーさんはストーリーを順番に見ることしかできませんが、ゲーム制作においては、たとえば最初の頃は全カットシーンのみの作業をし、その後で間に入るいくつかのクエストの制作を行い、その後、調整が入ったイントロダクションのカットシーンに戻るようなことはよくあります。
――プレイヤー視点で言うと、ゲーム内の時系列がわからなくなった時にアクティブタイムロアの内容を確かめることで混乱は少なくなったと感じました。とてもありがたいシステムですね(笑)。
では次がゲームの内容に関する最後の質問となります。フェニックス、イフリート、シヴァなど召喚獣は、「ファイナルファンタジー」シリーズの中で英語で表記されるときに様々なパターンがありました(『FFVI』ではEsper、『FFIX』ではEidolon、『FFX』ではAeon、等)。今回はEikon(イコン、アイコン、偶像を意味する)と表現されていますが、これはどのように決まったのでしょうか?
Koji:これは『FFXVI』のプロジェクトに着手したときに最初に決めたことの一つでした。召喚獣の表現は毎回変わるので、新しい「ファイナルファンタジー」を作るという時には必ず話されることだと思っています。『FFXIV』の時にもそうで、召喚獣のストーリーや設定、その姿からPrimalという名前を思いつきました。召喚獣(『FFXIV』では蛮神と呼ばれる)を信じる人々は、彼らをPrimal、つまり最初の存在として獣人族を生み出した神々だと思っています。しかし、ガレマール帝国は宗教を信じておらず、Primal(神)ではなくEikon(偶像)と呼んでいます。ガレマール帝国では召喚獣を神だとは考えていないからです。そのため偽りの神、神を模したものとしてEikonと呼ぶことになりました。
そして、『FFXVI』でのお話になるのですが、この世界での召喚獣が何かというのを考えた時に、召喚者が呼び出すものではなくドミナントと呼ばれる存在そのものが別の形で現れた姿、基本的にはすでにドミナントの中にあるものを表現したものなのです。
また、高井さん(メインディレクター)と吉田さん(プロデューサー)がコンセプトの1つとして、過去にどの「ファイナルファンタジー」シリーズをプレイした人でもわかるような、シリーズを通じて登場する召喚獣をすべて含めたいと言っていたのもポイントでした。イフリート、タイタン、リヴァイアサンといった召喚獣が選ばれたのはそのためで、「ファイナルファンタジー」シリーズのいずれかを知っている人なら馴染みがある、最も「象徴的(iconic)」な「偶像(Eikon)」である召喚獣です。英語版では2つの意味(シリーズの象徴として、また神の模倣として)を持った言葉としてチームに提案しました。チームでの反応も良かったためそれに決まった、という感じですね。
――フランス語ではどのような表現になっていますか?
Eve:日本語では、「招かれる、喚び出される生き物」を意味する「召喚獣」という用語がシリーズでほぼ一貫して使われていますが、欧州言語ではいくつかの異なった呼び方が使われてきました。フランス語で最初は「夢想」や「キマイラ」を意味する訳語である「シメール(chimère)」を使っていました。いい表現ではあったのですが、いくつかのタイトルではキマイラが敵として登場するようになったため、残念ながら変更せざるを得ませんでした(笑)。
『FFXVI』の場合、そもそも召喚獣になるのが人間なので、別世界の存在を連想させる言葉ではうまく表現できないと感じました。そこで結局、『FFXIV』の召喚獣に近い存在の「蛮神」を示すために創った用語で「原初の、第一義の」を意味する言葉「Primordial」を採用しました。『FFXVI』では、召喚獣はそれぞれ属性をもっている存在ですし、この呼び名はぴったりだと思いました。また、「原色」(couleurs primaires)を連想させる響きでもありますので、このゲームの召喚獣のコンセプトにも合うと思いました。
――欧州スペイン語ではいかがですか?
Manuel:プロジェクトが始まったばかりの頃、Kojiさんが説明した通りの内容が記された資料をもらったのを覚えています。「iconic」という言葉ですが、これは欧州スペイン語では「icónico」となり、英語と同じように二重の意味を持った表現になると思います。欧州スペイン語においても英語での解釈と完璧に合っていたので、何もアレンジする必要はありませんでした。
――そうだったんですね、召喚獣の表現に隠れた2重の意味は非常に興味深かったです!
――それでは最後の質問になりますが、このプロジェクトに携わって感じたこと、ファンの皆さんへのメッセージなど、何かありましたらお願いします。
Koji:『FFXVI』に携わって感じたことはたくさんありますが、嬉しかったことの1つとして、「ファイナルファンタジーを英語でプレイしようと思う」と言うのを初めて聞いたことです。昔からのファンの方は、多くの場合、日本語がオリジナルであるという考えを持っていて、私としてもその考えはなんとなく理解していました。やはり、モーションキャプチャーやオリジナルのボイス収録は日本語で行われ、キャラクターはすべて日本人の声優によって形作られていて、日本語でプレイしたほうがより自然に感じられると思うからです。だから今回ファンの方が実際に最初のトレーラーを見た時に、初めて英語でプレイすることを決めたというのは、私にとってはやったー!という感じでした(笑)。
そして私は、少なくとも『FFXVI』のプロジェクトにおいては、一緒に仕事をしたローカライズチームのメンバー、John Taylorさんであり、Shlocの人たち、Morgan RushtonさんとOli Chanceさん、そしてPhil Brightさん、みんなと一緒に仕事ができたことを誇りに思っています。ジェイク・エアーズもそうですし、一緒に仕事をした人たち全員です。
私がインタビューに出ることが多いので、「Kojiの翻訳は素晴らしい」と言われますが、そのセリフを作ったのは私じゃないんだけどな、と言いたいことがよくあります。もちろん私が作っている部分もあればそうじゃないところもある、この規模のゲームを一人で担当することはできないです、5年か6年くれたらできるかもしれないけど!(笑) でも、実際にそんなゲームは作られないですし、今こうして『FFXVI』が世に出ているのは一緒に仕事をしてきた素晴らしい人たちがいたからです。みんな業界の中で多くのゲーム制作に関わって経験を積んできた人たちで、そんなメンバーが一丸となってこのゲームに取り組んできたからこそできたことだと思いますし、だからこそ私はチームをとても誇りに思っています。
ファンの皆さんに、繰り返しになりますが伝えたいのは、私たちがこのようないい仕事ができるのは、皆さんのおかげだということです。私たち自身も皆さんと同じようにゲームファンなので、ローカライズするときは、このゲームをプレイする人は「クライヴにこの状況にどう対応してほしい?ここで何と言って欲しい?」と自分自身に聞いてみます。ファンの皆さんの好みが一人一人違って、それぞれの人が異なる要望を持っていることもわかっています。その上で私たちは、私たちファンが楽しめるものを作りたいと思っていますし、世界中の他のファンの皆さんにも同じように楽しんでもらえたらいいなと思っています。
Eve:いろいろな点で大変なことも多くあったプロジェクトでした。フランス語に限らずすべての言語版で、プロジェクトの途中で新型コロナウィルスのことがあり音声収録を現地で監修することができなくなりました。しかたなく、頑張って深夜まで作業しほぼすべてリモートでなんとか最後まで完成させました(笑)。
今回のフランス語チームの翻訳者さんたちには感謝しなければなりません。チームのほとんどは日本在住ですが、パリでの音声収録のために、時差の関係で日本時間の深夜2時や3時まで対応をお願いしないといけないことが多くありましたが、最後まで尽くしてくれました。そんなハードな状況でもみんなが本当に一生懸命働いてくれましたし、スタジオ側も素晴らしい対応をしてくれました。チームメンバーが毎回収録に立ち会っていましたが、状況を説明したりボイスディレクターの声優さんへの指示を補足したり、現地スタッフが連携しながら素晴らしいチームワークを発揮してくれました。本当に感謝しかありません。音声収録は何百時間がかかった大規模の仕事でした。
翻訳そのものについては、原文に忠実さを保ちながら、フランス語の自然な会話にこだわりしました。
最近、ユーザーの間でローカライズのあるべき形についての議論が盛んに行われています。国や文化によってローカライズの方針と流儀は異なると思いますので、一概に良いローカライズを定義することが難しいと思います。しかし、フランス語圏に関して言えるのは開発チームと手を携えて作業し、質問したりフィードバックをいただいたり、相談して承認をいただいたりと、シナリオチームの方々の意図に忠実でありながら少しでもいいもの、プレイヤーさんにとって最高の体験になるものを目指して頑張っています。『FFXVI』では、さまざまな言語のローカライズチームや開発チームとの共同作業になりましたが、プレイヤーの皆さんにも喜んでいただけたなら良かったです。
ファンの皆さんには、Kojiさんが言ったように私たちもゲーマーですので、プレイヤー目線でどういうローカライズを望んでいるかを考えながら、それを開発チーム側に伝えるようにしています。開発チームとは、「この点はプレイヤーさんにあまり良い印象を与えないのではないか」「これができましたらプレイヤーさんは喜んでくれるんじゃないでしょうか」と話すことがよくありますが、これも社内ローカライズチームの大事な役割だと思っています。プレイヤーさんの声に耳を傾け、最高の品質を目指していきたいと思っていますし、すべての人を満足させることは難しいですが、できるだけ多くのプレイヤーに満足してもらえるように日頃努力しています。どの言語でプレイしても、ゲームを楽しんでいただければ幸いです。
Manuel:チームのメンバーで、SHINYUDENの翻訳者でもあるPedro Solanoさんとお互いに多くのことを学びながら、一緒に素晴らしい仕事ができたことを誇りに思っています。
ファンの皆様、制作スタッフが心と魂を注いで作り上げたこの作品、私たちの生活を豊かにしてくれたこのゲームと物語を楽しんでください。
――本日はお時間をいただきありがとうございました!
各言語のローカライズチームが時には世界設定にまで携わり作り上げられた『FFXVI』。
ぜひ色んな言語に切り替えて遊んでみてくださいね!
『ファイナルファンタジーXVI』ローカライズチームインタビュー!前編はコチラ
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体験版では、『ファイナルファンタジーXVI』のゲーム序盤、主人公クライヴが復讐を志す発端となった、彼の少年期の物語を約2時間~2時間半に渡ってプレイすることができます。これが壮大な物語のまさにオープニングとなります。セーブデータは製品版に引き継ぐことができます。
ゲーム序盤クリア後は、本作の特徴である召喚獣の能力を駆使しながら闘っていくバトルアクションをさらにお楽しみいただける特別仕様版「召喚獣アクション トライアル」がプレイ可能です。
未プレイの方は是非お試し下さい!
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『ファイナルファンタジーXVI』とは
「ファイナルファンタジー」シリーズナンバリングタイトルの完全新作。
終焉を迎えつつある世界「ヴァリスゼア」——
"黒の一帯"が押し寄せる世界で、各国はエーテルを生み出す源である「マザークリスタル」を求めた。
やがてそれは戦乱を呼び、強大な召喚獣の力を宿す「ドミナント」達は、戦いへと駆り出されてゆく。
物語の主人公にして、ロザリア公国の第一王子である「クライヴ・ロズフィールド」もまた、
召喚獣フェニックスのドミナントである弟のジョシュアとともに、
この巨大な戦乱の渦に巻き込まれるのであった。
過酷な運命を背負ったクライヴは、やがて世界の真相を知り、
マザークリスタルの破壊を目指してゆくこととなる……
これは——クリスタルの加護を断ち切るための物語。
キャラクター紹介
クライヴ・ロズフィールド
ロザリア公国の第一王子にして本作の主人公。ロズフィールド大公家の嫡男として生まれるも、フェニックスのドミナントとして覚醒せず、その役目は弟のジョシュアが担うことになった。クライヴは剣の鍛錬を積み、御前試合にて実力でナイトの称号を得る。クライヴは正式にジョシュアの盾となり、”フェニックスの祝福”を与えられ、その能力の一部を使用可能となった。やがて彼は大きな悲劇に巻き込まれ、惨劇を引き起こした謎の召喚獣”黒きイフリート”を追う復讐者となる。
ジョシュア・ロズフィールド
ロザリア公国の第二王子にして、クライヴの実弟。10歳。その身に召喚獣フェニックスを宿すドミナントである。兄のクライヴを尊敬し、貴族の生まれながら、分け隔てなく人に接する気さくさを併せ持つ。武よりも書を好む性格で、病弱な自分よりも、兄クライヴがフェニックスを宿すべきだったと考えている。ニンジンが苦手。ジョシュアもまた、クライヴ同様に、大きな悲劇へと巻き込まれてゆく。
ジル・ワーリック
幼い頃、北部部族より和平の証としてロザリアに預けられ、ロズフィールド家に身を寄せていた。クライヴやジョシュアと共に育ち、兄妹のような間柄になる。礼儀をわきまえ、クライヴやジョシュアを気遣う心優しい彼女は二人の良き理解者であった。しかし、数奇な運命に翻弄され、やがて召喚獣シヴァのドミナントとして覚醒することになる。
トルガル
ジルと同じく大陸北部に出自を持つ狼がトルガルである。クライヴとジョシュアの父エルウィンが、北部遠征の折りに群れからはぐれたトルガルを連れ帰ったことで、ロズフィールド家にて育つ。幼年期に起きた大きな悲劇から難を逃れたトルガルは、やがてクライヴと再会し、その過酷な旅路に付き添う心強き仲間となるのであった。
シドルファス・テラモーン
“誰もが人として死ねる場所”の実現を唱え、迫害を受けるベアラーや、政に翻弄されるドミナントを保護する組織を率いるのが“シド”ことシドルファスである。一方で大陸を蝕む“黒の一帯”の研究にも取り組むなど多方面で活動している。召喚獣ラムウのドミナントでもあるシドルファスは、かつてウォールード王国に籍を置き、ベネディクタとも面識があるようだが……。
<商品概要>
タイトル | FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16) |
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対応機種 | PlayStation®5 |
ジャンル | アクションRPG |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2023年6月22日(木) |
CERO | D |
ボイス対応言語 | 日本語/英語/フランス語/イタリア語/ドイツ語/スペイン語(ラテンアメリカ) |
スクリーン言語 | 日本語/英語/フランス語/イタリア語/ドイツ語/スペイン語(ラテンアメリカ)/スペイン語(スペイン)/ポーランド語/ポルトガル語(ブラジル)/アラビア語 |
権利表記 | © SQUARE ENIX LOGO ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO |