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  • 2019.02.18

『FF-TCG』描き下ろしイラストレーターインタビュー第4回:ロベルト・フェラーリ

世界中で遊ばれているアナログTCG、『ファイナルファンタジートレーディングカードゲーム(FF-TCG)』には、ファイナルファンタジーシリーズからたくさんのキャラクターやモンスターが登場しています。懐かしいイラストがカードになって登場している一方で、実は、『FF-TCG』のために描き下ろされたオリジナルのイラストが多数収録されています!

本特集では、収録されているイラストをイラストレーターへのインタビューを織り交ぜながらご紹介します。さらに、イラストの一部を壁紙としてFFポータルアプリにて配信いたします!

描き下ろしイラスト紹介&インタビュー

『FF-TCG』向けに『ファイナルファンタジー零式』の描き下ろしを担当されているスクウェア・エニックスのロベルト・フェラーリ氏に、今回の描き下ろしについてお話を伺いました。

ロベルト・フェラーリ プロフィール:
FFシリーズでは『ファイナルファンタジー零式』『ファイナルファンタジーXV』『ディシディア ファイナルファンタジー』『ファイナルファンタジーVII リメイク』にて、キャラクターデザインを担当。FFシリーズ以外では『ラスト レムナント』『ソングサマナー』『ランページランドランカーズ』でもキャラクターデザインを手掛ける。

―今回『FF零式』のキャラクターを描き下ろされましたが、『FF零式』制作当時はどのように関わられていたのでしょうか。
フェラーリ:朱雀サイドのキャラクターデザインを担当していました。担当になった流れとしては、もともとデザイナーが何人かいて、各人が朱雀、白虎、蒼龍、玄武の4国すべてのデザインアイディアを作成し、当時クリエイティブプロデューサー兼キャラクターデザインの野村さん、そしてアートディレクターだった直良さんが見て、それぞれの国に担当を割り振っていったんです。それで僕は朱雀の担当になりました。担当が決まってからは自分のデザイン案を元に、他のデザイナーがアイディアとして出していたデザインを見て、良い部分は取り入れつつ、各々デザインを仕上げていきました。なので、朱雀の担当だからといってすべて一人でデザインしたということではなく、出し合われたアイディアをまとめて、形にしていったというのが正しいですね。逆に、他の国のキャラクターに僕の出したデザイン案が取り入れられている部分もあります。

―4国のNPCはある種、共同作業的にデザインされていったのですね。それぞれのキャラをデザインされた際、どのように進められたのでしょうか。
フェラーリ:各キャラの設定として、「わがまま」などの簡単なコメントがついていたので、それをもとにデザイン制作を開始しました。これは僕のスタイルなのですが、まず何パターンか大胆に違うラフを作って、発注者、『FF零式』では野村さんと直良さんですね、に持っていきます。例えば髪色であれば、黒髪と金髪、のように全く違うものを持っていくんです。その中からイメージに近いものを選んでもらうことで、少しずつそのキャラクターのデザインの方向性を定めていきます。クラサメなんかは、最初にロングヘアとショートヘアのもの持っていき、よりイメージに近いショートで、という流れになりました。デザイナーと発注者は役者と監督のような関係だと思っています。役者であるデザイナーは、監督(発注者)の演出の意図を正しく理解して、一緒に作品を作り上げていくのです。

―今回、『FF-TCG』向けに『FF零式』のキャラクターを描き下ろされましたが、どのようなコンセプトで描かれたのでしょうか。
フェラーリ:『FF零式』のデザインに寄せる形で、できる限り当時の画風で描いたつもりです。当時は野村さんデザインのメインキャラクターのテイストに合わせて描いていたので、その後の『FFXV』のキャラデザインを描いた時のような、立体感のある描き方とはまた違いました。僕は形にこだわりがあるので、形さえよければ線の描き込みは不要、と考えています。線を重ねて描き込むというのは、絵を見る側に想像の余地を与え、複数の解釈が生まれる可能性があります。それはそれで面白さはあると思うのですが、僕の絵の場合は、描き込みを減らすことを意識して、一つのきまった形を表現したいと思っています。頭の中で余分なものを減らしていって、動いた時に映える線になるように整理し、その最終的な、余分なものがない状態が“美しさ”だと考えています。『FFXV』のデザインをした際には、根本のコンセプトが「密度の高さ」だったため、またテイストが違っているのですが、自分が進みたい道としては、今回のような「洗練された線」で描いた絵なんです。

―今回アレシア、クラサメ、エミナ、カヅサ、セツナの5人を描き下ろされていますが、各キャラクターについてはどのような点を意識されたのでしょうか。
フェラーリ:『FF零式』を遊んでくださった方が記憶に残っているシーンを描きたいと思って、それはどこかなあと考えながら描きました。後は各キャラの性格を表現できるように描いています。

マザー(アレシア)は優れた人ですね。他人のことを気にせず、周りを犠牲にしても自分が思った道を進むタイプです。テーマカラーの紫は自分のアイディアですね。当時のデザインのこだわりポイントとしては、髪のハイライトに緑を入れているところで、紫と緑でコントラストになるようにしています。彼女は物語中では指導者として登場しているので、見守るような視線を意識して描きました。

クラサメは真面目で冷静なキャラなのですが、正義感や情熱をあわせ持っています。内に秘めている熱い心が、眼差しで伝わるように描きました。

エミナは掴みどころのないお姉さん的なキャラですね。また彼女の抜群のプロポーションは、当時の開発チーム男性陣の要望を受けてのことでした。裏のあるキャラクターなので、今回も何かを企んでいるようなミステリアスな表情を描いています。

セツナは神秘的なキャラクターですよね、完全に自分の世界を持っていて、何を考えているかわかりません。今回描いたのはアレキサンダーを召喚するシーンです。彼女といえばこのシーンを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

カヅサは研究者なのですが、マッドサイエンティスト寄りですね。最初はもっと「普通のイケメン」だったのですが(笑)。デザインの過程で一番変わったのは目ですね。とにかく怪しげな雰囲気が出るようにデザインしています。今回もその怪しさをたっぷり表現して描きました。

―過去にこういった描き下ろしといいますか、『FF零式』のキャラクターを再び描く機会はあったのでしょうか。
フェラーリ:『FF零式』制作後は彼らを描く機会がなかったので、今回の企画はとてもありがたいお話でした。設定画はアルティマニア等で掲載はされたものの、顔のアップになる機会がなく、本当は拡大して細かいところも見て欲しいと思っていたので、その意味でも良いチャンスをいただけました。

―『FF零式』で一番好きなキャラクターを教えてください。
フェラーリ:クラサメですね。モデリングですごくかっこよく作ってもらえたんです。キャラクターは、最後のところで手を加えてもらって良くなるのだと実感しました。キャラデザインは自分がしましたが、それがモデルになり、声がついて、ゲーム内で動いて、初めてひとりのキャラクターが完成します。自分がキャラクターの完成に関われる部分は数十パーセントくらいでしょうか。その完成をもって、一番気に入っているキャラクターがクラサメです。

―今回の描き下ろしにあたり、苦労した点はありましたか?
フェラーリ:あまりなかったですが、今の癖をなくして当時のスタイルで描くのは、感覚を取り戻すのに少し時間がかかりました。

―今後、描き下ろしてみたいキャラや他のFFシリーズはありますか?
フェラーリ:自分が担当したキャラはみんな描いてみたいですね!わが子のように感じているので、他の人が描くよりも、やはり自分が描きたいという気持ちが強いです。『FF零式』ではクオンやムツキ、後は白虎のルシ・クンミも実は自分のデザインで気に入っているキャラなので、機会があれば描きたいです。

―今後も新しい描き下ろしがあることを期待しております!本日はありがとうございました。

『FF-TCG』描き下ろしイラストレーターインタビュー第1回:松田俊孝
『FF-TCG』描き下ろしイラストレーターインタビュー第2回:伊藤龍馬
『FF-TCG』描き下ろしイラストレーターインタビュー第3回:板鼻利幸

「クラサメ」壁紙追加!

ロベルト・フェラーリ氏描き下ろしの「クラサメ」が壁紙になりました!
FFポータルアプリにて配信中です。

■デジタルコンテンツ(壁紙)
- アイテム名 : 描き下ろしイラスト『クラサメ』壁紙
- 交換条件 : (有効期限内)何度でも

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FF-TCGとは?

ファイナルファンタジーシリーズに登場するキャラクターや召喚獣を駆使して、1対1で対戦するカードゲーム。お馴染みのキャラクターのカードを集めるコレクションとしての要素だけでなく、ルールはシンプルながら奥の深いゲーム性による、カードゲームとしての面白さが最大の魅力。
公式イラストレーターによる描き下ろしイラストも大好評!

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