絶賛上演中の「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX(以下、FFX歌舞伎)」、その初日前会見にFFポータルスタッフもお邪魔してきました!
「FFX歌舞伎」は『ファイナルファンタジーX(以下、FFX)』を題材にした新作歌舞伎ということですが、かくいう筆者である私も歌舞伎自体が初体験で、いったいどんなものが待ち受けているのだろうとワクワクしながら参加させていただきました。結論としてはむしろ歌舞伎を観に行ったことがない方にこそおすすめしたい、歌舞伎デビューには最高の公演になっていると感じたので、詳細にレポートしたいと思います!
行くかどうか迷っている、歌舞伎は初体験で不安……という方もぜひこのレポートをチェックして参考にしてみてくださいね。
初日前会見&公開フォトコールの映像はこちらでご覧になれます。
会場はアジア初の360度客席回転劇場
「FFX歌舞伎」の会場は、ゆりかもめ「市場前」駅徒歩1分の「IHI ステージアラウンド東京」。客席が360度回転するということですが、いったいどのように舞台が展開されていくのでしょうか?
会場付近は『FFX』一色!会場の前には出演者の名前が書かれた“のぼり”も出ていましたよ。
会場の外にはキッチンカーも!その奥には座って食事ができるスペースもあります。
熱い思いが語られた初日前会見
3月2日に行われた初日前会見には、「FFX歌舞伎」の出演者が勢ぞろい!
撮影:引地信彦
© SQUARE ENIX/[新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』製作委員会
今回自ら企画と演出を担当するティーダ役の尾上菊之助(おのえきくのすけ)さんは「ザナルカンド・エイブスのエース、ティーダッス!」という元気な挨拶とともに、「2020年から始まりましたこのプロジェクトがいよいよ明後日(3月4日)初日を迎えます。原作の『FFX』の世界を尊重しつつ歌舞伎の世界と融合し、ダイナミックで美しく心に届くメッセージがお届けできると思っております。『FFX』は日本のみならず世界のファンの方もたくさんいらっしゃいます。世界へ向けて互いを思いやり、愛し、諦めない心、前向きな姿勢、亡くなられた方への鎮魂、そして未来への元気をお届けしたいと思っています」と本公演への意気込みを語られました。
会見を見て受けた第一印象は「あ、こんなにくだけた感じなのか」でした。歌舞伎というとちょっと敷居が高いイメージがありましたが、出演者同士でツッコミを入れるような場面もあって自然とこちらの肩の力も緩み、歌舞伎に対するハードルが下がっていくのを感じました。また出演者同士、とても仲の良い雰囲気も伝わってきました。
撮影:引地信彦
© SQUARE ENIX/[新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』製作委員会
そして何といっても目をひくのがきらびやかな衣装です!原作の雰囲気に忠実でありつつも大胆な和装にアレンジされており、離れた席からでも各キャラクターが一目でわかるようになっていると感じました。シーモアやワッカの特徴的な髪型も見事に再現されていますし、キマリに至っては……もはやキマリ本人にしか見えません。すごすぎる。
撮影:引地信彦
© SQUARE ENIX/[新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』製作委員会
圧巻のシーン上演
さてここからはいよいよ、いくつかの見どころシーンを実際に演じる「公開フォトコール」のお時間です!
撮影:引地信彦
© SQUARE ENIX/[新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』製作委員会
まずは「オープニング映像」。劇場の巨大スクリーンに『FFX』のオープニングが流れ、ティーダのセリフ「最後かもしれないだろ?だから ぜんぶ話しておきたいんだ」の後に大きく本公演のロゴが映し出されます。一瞬で『FFX』の世界観に包まれ、ちょっと涙ぐんでしまいました。
そして、音楽が!『FFX』といえば「ザナルカンドにて」をはじめとした印象的な楽曲が盛りだくさんですが、今回の「FFX歌舞伎」ではその楽曲が和楽器を用いてアレンジされています。歌舞伎の雰囲気ととてもマッチしていて没入感がすごいです!
撮影:引地信彦
© SQUARE ENIX/[新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』製作委員会
次に上演されたのは「シーモアとの戦い」のシーンです。
シーモアとユウナの結婚式に乗り込んだティーダ一行、シーン冒頭では歌舞伎の「ぶっ返り」と言われる衣装替えが披露され、シーモアの衣装が黒基調のものから一気に白基調のものに切り替わります!
その後リュック、ワッカ、ルールー、アーロンがそれぞれシーモアに立ち向かっていくのですが、ワッカのボールやルールーの魔法も見事に表現されており、まさに見て楽しむバトルになっていました。
撮影:引地信彦
© SQUARE ENIX/[新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』製作委員会
さらにこのシーンでは今回の「IHI ステージアラウンド東京」の舞台機構がふんだんに活用されており、それぞれのバトルが終わると客席が回転し、ステージが次の場面へと切り替わっていきます。ただ客席で見ているとまるでステージが回転しているように見えるので、場面転換で静かにたたずむアーロンが徐々に見えてきて、「Otherworld」が流れ始めたときには盛り上がりは最高潮でした!(これまたアレンジがかっこいいんです……)
撮影:引地信彦
© SQUARE ENIX/[新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』製作委員会
そして最後は「異界送り」のシーン。
夕焼けの中、キーリカ島の浜辺で異界送りを行うユウナ。先日PV映像も公開され話題を呼んでいましたが、舞台上ではさらに演出・音楽が加わり、もうまさにゲームのあのシーンを再現していました。こればかりは直接見ないと伝わらないと思うのですが、「あ、これは海の中だ」とわかるような演出になっています。ゲーム内ではユウナは最後水の柱の上に立つような形になっていますが、そこも舞台上で見事に表現されているのです。とにかく幻想的な一幕で、見入ってしまいました。
歌舞伎未経験者にこそおすすめしたい
冒頭にも書きましたが、私は歌舞伎自体を観劇するのが今回初めての経験でした。なのでどこか敷居が高い感覚でいたのですが会見のくだりでもふれたように、まったく堅苦しい雰囲気はありません!服装についても特にドレスコードはないので、楽な格好で行くのをおすすめします。
撮影:引地信彦
© SQUARE ENIX/[新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』製作委員会
もちろん、歌舞伎の要素はそこかしこに散りばめられています!たとえば役者の動きに合わせて鳴らされる「ツケ」と呼ばれる木の音、盛り上がる場面で動きを止めポーズをとる「見得(みえ)」など。今回は歌舞伎初心者の方も多いだろうということで、冒頭に歌舞伎の決まり事などを解説してくれる「歌舞伎講座」なるものがあるようです。そもそも私も予習ゼロの状態で行って十分楽しめましたが(前述の用語は公演後に調べたものです(笑))、確かにそういった歌舞伎ならではの要素について最初に解説があるのであれば、より舞台を楽しむことができそうだと感じました。席によってはステージまでの距離があるため、見得の際などの表情をしっかり見たい方はオペラグラスなどを持参するのもおすすめです。
さらに「FFX歌舞伎」では歌舞伎などの古典芸能に触れたことがない方への配慮として、一般的に聞き取りにくい歌舞伎の台詞回しを、一度で聞き取れるような現代語に近い形で言葉を選んでいるとのことです。確かに実際に公演を観て、特にわかりづらいと感じる場面はありませんでした。
撮影:引地信彦
© SQUARE ENIX/[新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ』製作委員会
またティーダ役の尾上菊之助さんによると本公演は“『FFX』の名シーンのオンパレード”とのことなので、シンプルに『FFX』の魅力を堪能する舞台としても楽しめるのではないでしょうか。取材時は数シーンだけのお披露目でしたが、『FFX』が好きならば一見の価値は絶対にあると感じました!
今回取材にお邪魔させていただいた会見、そしてシーン上演を通じてひしひしと感じたのが尾上菊之助さんをはじめとする作り手の方々の『FFX』という作品へのリスペクト、そして歌舞伎に馴染みのないお客様への配慮です。歌舞伎も一度は観てみたい、と思っていた方には最高の歌舞伎デビュー体験になると思います。また会場の「IHI ステージアラウンド東京」の稼働は本公演で最後となることが決まっており、役者さんの演技・音響・視覚演出がかけ合わさった本会場ならではの没入感が味わえる最後の機会にもなっています。ぜひ劇場に足を運んでみてください!
公演オリジナルメニュー&お弁当の販売も
劇場ロビー内のカフェでは「FFX歌舞伎」の公演オリジナルメニューも販売されています。
海をイメージしたドーナツ「ブルーマーブルリング」に特製のドリンクが3種類。いずれも非売品の公演ステッカーが付いてきます。上演中でなければ席で食べることも可能とのことなので、休憩時間に小腹を満たすのにちょうど良さそうですね!
さらに事前の予約が必要になりますが、三越伊勢丹厳選の「ノベルティステッカー付お弁当」も販売しています。贅沢な一日のお供に注文してみてはいかがでしょうか?
三越伊勢丹厳選「ノベルティステッカー付お弁当」の注文はこちらから
『FFX』先行販売グッズ&「FFX歌舞伎」限定グッズ販売
『FFX』の<ティーダ>と<ユウナ>のディフォルメぬいぐるみの新作、そして作中にてルールーが持っているモーグリのぬいぐるみなどの『FFX』グッズが23年4月のスクウェア・エニックスe-STOREでの再販より前に、会場限定でいち早く手に入ります!
さらに、会場では「FFX歌舞伎」のビジュアルを使用したクリアファイルやアクリルキーホルダーをはじめとした、本公演のオリジナルグッズも発売されます!
久谷焼作家・北村和義さん監修の九谷焼のコップと小皿も。『FFX』のモチーフが散りばめられていて可愛い!
※会場でのグッズ購入は公演チケットをお持ちの方のみ可能です
制作監修陣の感想
今回の「FFX歌舞伎」の監修を担当したスクウェア・エニックスの北瀬佳範さん、鳥山求さんに舞台をご覧になった感想を聞きました!
【北瀬佳範】
歌舞伎は敷居が高そうだと思っているみなさん!
私も初めはそう思っていましたが開幕早々、それが全く間違っていた事を思い知りました。
冒頭ザナルカンドの「最後かもしれないだろ……」からエンディングの有名なユウナのセリフまで全編『FFX』リスペクトに満ちたシーンが満載で7時間にも及ぶ大長編を一度も気が緩むことなく鑑賞することができました。
余りにも『FFX』リスペクト過ぎてもう少し歌舞伎要素が多くてもいいかなぁ……なんて思っていたら、クライマックスのユウナの〇〇〇で歌舞伎演出が大炸裂!!
シビれたーっ!
一番印象に残ったのは尾上菊之助さんのご子息 丑之助(うしのすけ)さんの演技シーン。
静まり返った会場の雰囲気を一気に引き込む演技力はただただ感動するばかり。
『FFX』発売時にはまだこの世に生を享けてなかった9歳の少年に、こんなに心を持っていかれる事になろうとは……
【鳥山求】
「FFX歌舞伎」、7時間の舞台に収める形で構成をしなおしつつ、リメイク作品を作るときと同じ感覚で、名場面とキャラクター性がより引き立つように脚本の監修をさせていただきました。本番の舞台は有名どころの役者さんに演じていただいたことももちろんですが、360度回転するステージでショーアップされており、想像以上のプロフェッショナルな仕事ぶりが味わえるものでした。主人公のティーダ役の尾上菊之助さんやシーモア役の尾上松也(おのえまつや)さんだけでなく、ユウナ、ルールーなど女性キャラの繊細な表現なども素晴らしいです。ジェクトは本人ではないかと思ってしまいました。作ってきたゲームが20年の時を経て、新たなエンタテイメントとして表現されることは大きな思い出になりました。ぜひみなさんもご家族・友人と一緒にご覧ください。
公演概要
【公演期間】
2023年3月4日(土)〜4月12日(水)
※休演日:3月8日(水)、15日(水)、22日(水)、29日(水)、4月5日(水)
【会場】
IHI ステージアラウンド東京(豊洲)
【開場・開演時間】
前編 11:30開場 12:00開演
後編 17:00開場 17:30開演
※前編中に2回、後編中に1回、前編後編の間に約90分休憩がございます。休憩含め、前編は12:00~16:00、後編は17:30~21:00予定です。
※新型コロナウイルス感染対策並びに舞台機構の確認のため、前編終了後、すべてのお客様に一度、劇場外にご退館いただきます。
【主な出演者】
尾上菊之助 中村獅童 尾上松也 中村梅枝 中村萬太郎 中村米吉 中村橋之助 尾上丑之助 上村吉太朗 中村芝のぶ 坂東彦三郎 中村錦之助 坂東彌十郎 中村歌六 / 尾上菊五郎(声の出演)
※中村歌六、中村錦之助、尾上丑之助は後編のみの出演となります。
【チケット情報】
前編・後編通し(全席指定・税込)
『ファイナルファンタジーⅩ』の世界を一気にご鑑賞いただけるお得なチケットです。
※チケット一枚でお一人様が前編・後編をご観劇頂けます。
SS席 32,000円 非売品オリジナルCGビジュアルアクリルスタンド付
S席 28,000円 非売品オリジナルCGビジュアル公演ポスター付
A席 24,000円
B席 19,800円
▲前編・後編通しチケットSS席グッズ(CGビジュアルアクリルスタンド)とS席特典グッズ(CGビジュアル公演ポスター)
前編/後編(全席指定・税込)
前編のみ、後編のみをお楽しみいただけるチケットです。
SS席 18,000円
S席 16,000円
A席 14,000円
B席 11,000円
※非売品特典グッズは付きません。
チケットのご購入はこちらから!
https://ff10-kabuki.com/tickets/
この他、三越伊勢丹厳選お弁当付きチケットやホテルとの連動プランなどたくさんの特別なチケットが準備されています!詳しくはこちらのページをご覧ください。
「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」公式サイト
https://ff10-kabuki.com/